オートミールと聞くと食材をイメージする人も多いかと思いますが、なんと欧米などではオートミールをお風呂に入れて入浴する、「オートミール風呂（オートミール・バス）」という新しい美容法が注目されています。
この記事ではオートミール風呂について、その効果、そして入浴の仕方などを詳しくご紹介します。
オートミール風呂（オートミール・バス）とは？
オートミールはローマ時代などの古代から実は食料だけではなく、様々な化粧品やスキンケア成分として使われています。また、現在でも様々なローションやバスソープの材料として使われている製品でもあります。
オートミール風呂とは、オートミールをお風呂に入れて、そのスキンケア効果を最大限に活かす入浴法です。
※ご自身で市販の食料用のオートミールを使用する場合は、下記のオートミール風呂の作り方・入り方を十分に読んでから実施ください。
オートミールの美肌効果
皮膚病学の論文雑誌、Journal of Drugs in Dermatologyによると、1945年に、コロイド状（微粒子化された）のオートミール化合物が肌の状態を治療するために、より広く利用可能になりました。
微粒子状のオートミール、コロイドオートミールは、ローションだけでなく入浴剤などにも一般的に使用されているオートミール製品です。具体的な作成方法としては、オートミールで細かくすりつぶしたり、刻んで液体に懸濁したりします。
コロイドオートミールには、抗炎症性と抗酸化性の両方の特性があります。これは、主に、ビタミンE、フェルラ酸、およびアベントラミドを含む化合物が含まれているからです。
少量ながら、コロイド状オートミールで見つかった化合物は、かゆみも軽減する効果がありました。
これらの化合物に加えて、コロイドオートミールにはデンプンとベータグルカンが含まれています。これらはオートミールの原料である、オート麦に自然に存在しますし、オート麦の保湿能力を高める水を保持するのに役立っています。
コロイドオートミールには、糖の一種である水結合性多糖類、およびハイドロコロイドと呼ばれる化合物も含まれています。これらの化合物は、皮膚が過剰な水分を失うのを防ぐ保護バリアも形成します。
コロイドオートミールの他の利点は下記のような事が報告されています。
- 緩衝剤として作用し、皮膚が正常なpHを維持するのを助けます
- 伝染性軟属腫の発疹の治療を助けるなど、抗ウイルス活性を提供する
- アレルギー性皮膚反応に存在するマスト細胞でのヒスタミン放出速度の低下
- 石鹸のような活性を持つサポニンの存在のおかげで、皮膚を清潔にします
以上のように、コロイドオートミールは、多くの健康上の懸念に対する自然な解決策です。
オートミール風呂の効果
上記のような化合物や研究からオートミール風呂は下記のような効果が期待されています。
- アトピー性皮膚炎
- 水疱瘡
- 接触性皮膚炎
- おむつかぶれ
- かゆみを伴う乾燥肌
- 湿疹
- 乾癬
- 毒のオークなどの虫刺されや植物に対する反応
さらに、オートミール風呂だけではなく、多くの化粧品メーカーは、シャンプーやシェービングジェルにコロイドオートミールを加えて、スキンケア関連トリートメントを提供しています。これらの製品は通常、処方箋なしで入手でき、ほとんどの食料品店、薬局、オンライン小売店で販売されています。
オートミール風呂は安全？
米国食品医薬品局（FDA）は、オートミール浴は安全で効果的な治療法であると宣言しています。ただし、食材と同様に、オートミールの成分に対するアレルギー反応がある可能性はあります。
オートミールに対するアレルギー反応は、かゆみ、腫れ、発赤などの症状を引き起こします。このような場合は、すぐに石鹸と水で肌を洗い、オートミールを含む製品の使用を中止してください。
赤ちゃんがオートミールにアレルギーの兆候がなければ、コロイドオートミールでの入浴は通常安全です。ご心配な方は子供をオートミール風呂に入れる前に、「パッチテスト」を試すことをおすすめします。
パッチテストの方法は、溶解したコロイドオートミールを手の甲などの小さな皮膚に塗ります。約15分後にオートミールの準備をすすぎ、子供に反応の兆候がないか観察します。
肌に刺激を与える可能性があるため、香料を追加した入浴剤は避けたほうがよいでしょう。オートミールの入浴があなたの小さなお子さんにとって良いアイデアかどうかわからない場合は、小児科医に相談してください。
オートミールを使った化粧品
オートミール風呂以外でも、それらの効果から肌を保湿、クレンジング、保護するために、さまざまなオートミール製品が用意されています。これらの製品の例は次のとおりです。
- バス用品
- フェイスマスク
- フェイススクラブ
- 洗顔
- ローション
- 保湿剤
- シェービングジェル
- スキンスクラブ
これらの製品の多くは、湿疹などの皮膚の炎症や問題がある人のために効果があるとされています。
オートミール風呂（オートミールバス）の作り方・入り方
それではそのようにオートミール風呂（オートミールバス）を作成して入り方をご紹介します。
必要なもの
- ブレンダー、フードプロセッサー
- 温水
- オートミール１カップ（味がついていないインスタントオートミール、クイックオート、またはコロイドオートミール）
- オートミールを十分に挽くことができない場合は、バスのオートミールのバッグとしてモスリンの袋、チーズクロス、またはストッキングを使用することができます。
オートミール風呂（オートミールバス）の作り方
- オートミールをフードプロセッサー、ブレンダー、またはコーヒーグラインダーの最強の設定でブレンドまたは加工して、非常に細かく、安定したパウダーを作ります。
- オートミールの大さじ1杯をテストして、水を吸収するのに十分に細かく挽いたかどうかを確認します。大さじ1杯のオート麦をコップ1杯のぬるま湯に入れます。
- オートミールが水に容易に溶けされ、液体が絹のような感触の乳白色の物質に変われば、十分に長くブレンドされています。
- 液体が乳白色にならない場合は、オート麦をさらに細かく挽きます。もう一度テストします。絹のような感触の乳白色の溶液が得られるまで繰り返します。
- オートミールを粉砕して浴槽の底に散らかさないように細かく挽くことができない場合、できる限り挽いて小さなモスリンの袋に入れて浴槽の中に入れることもできます。（ストッキングを使用することもできます）。
下記動画でも作り方を見ることができます。
オートミール風呂（オートミールバス）の入浴の方法
粉砕したオートミールを浴槽にはった温水に入れ、手で数回かき混ぜて均等に分配します。塊のなどが浴槽の下にできたしまった場合は、バラバラにします。浴槽に15〜20分間浸れるようにします。オートミールの一部を肌に直接優しくこすり付けることもできます。
オートミールを入れるためにバッグを使用している場合は、お風呂に入れて、自身にとって適切な温度まで入れてください。タイマーを設定することもできます。子供が風呂に入る前に、水が熱すぎないようにしてください。
お子さんなどをお風呂に出し入れするときは注意してください。オートミールは、浴槽を通常よりも滑りやすくします。入浴後は柔らかい肌を乾かします。
オートミール風呂におすすめの商品
オートミール風呂（オートミールバス）に使用するオートミールは限りなく化学調味料・味・風味が含まれてないものを選んで下さい。
下記のようなオートミール製品はそういった物を含まれておらず、防腐剤、着色料等添加物を使用してないので、安心して使用できます。
また、オートミールを細かくするのが面倒な方は、すでにコロイド状になっているオートミールも売っています。
更に、オートミールが含まれた入浴剤などを使用することも可能です。
まとめ
オートミール風呂（オートミールバス）は、乾燥から湿疹に至るまでのさまざまな皮膚の状態を治療するために使用できる在宅治療方法です。オートミールは、肌の保湿、鎮静、炎症緩和に効果があります。
粉末状にされたコロイドオートミールは、さまざまなスキンケア商品にすでに使用されています。 オートミールの入浴は肌を落ち着かせることができますが、すべての肌の状態の治療法ではありません。発疹が治まらない（または悪化している）場合は、必ず医師に相談してください。
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